<質問>

コロナ渦で、売上の落ち込みを女性向けでカバーしたいので、どうやればよいのか教えてほしい

<アドバイス>

女性視点への着手でコロナ渦で劇的に売上を伸ばしているのが、#作業服のワークマンです。

ワークマンといえば、おじさんたちがメインの作業服専門店のイメージです。

一般の女性が入店するにはちょっと勇気がいる店舗でした。

ところが、新業態で作業服や作業用品を扱わないけど、ワークマンの高品質の商品を女性向けデザインにし、店舗の名称も #ワークマン女子とし、店内デザインも”かわいい”、”インスタ映え”を意識した今までのワークマンとは全く違う雰囲気にしました。

これが、予想以上の人気で、今後、10年間で400店舗の出店を見込んでいるそうです。

下記、ワークマンのホームページからの抜粋です。

< 店内のSNS発信用の「インスタ映え」・「動画映え」スポット >

1)入り口  メルヘン調2人乗りブランコと巨大バラ(シュールな組み合せ)の動画スポット

2)靴売り場 「#あしもと倶楽部」用の5パターンの床面イラストと床ロゴ

3)柱まわり マグネット企画 - 投稿画面で顔を隠すために使用、子供用もあり

4)試着室 バラのロールスクリーン(閑散時に使用可)と小顔効果のある手持ち用のバラ

5)ミニガーデン 盆栽サイズのイングリッシュガーデン

6)限定ショッパー 「ちょっとキャンプ行ってくる。」サリーさんのデザインショッパー

7)ゆるキャラ 「#ワークマン女子」店オリジナルの縫いぐるみ「わくこちゃん」を作成

※女性は「かわいい!」というが、なぜか男性には普通にしか見えない(笑)

< 映えスポットの制作時の担当者総入れ替え「事件」の経緯 >

 当初は営業企画部の男性社員のみで「インスタ映えスポット」の企画を練った。それを参考までに当社女性社員に見せたが、歴史的な「酷評」を受けた。

「センス悪すぎ」、「そもそも縦長にしないとインスタ画面に入らない」など。結局、企画担当者は総入れ替え。

インスタ達人の広報部女性社員を中心に、当社の女性アンバサダーのアドバイスを受けて作ったのが上記の”店内のSNS発信用の「インスタ映え」・「動画映え」スポット”企画。

男性社員には「小顔効果」のための小物作りや「ゆるキャラ」作りという発想自体がない。

営業企画部の女性社員(本来はチラシ担当)が自分でイラストを描き、新店専用の縫いぐるみ”ゆるキャラ 「わくこ!」”が誕生するという企画になった。

参考

土屋哲雄,ワークマン式「しない経営」 4000億円の空白市場を切り拓いた秘密,ダイヤモンド社,2020年10月

酒井大輔,ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか,日経BP2020年6月