№143<質問>

”怒る女”は”怒る男”以上に徹底的に嫌われるのはなぜですか?

<アドバイス>

わかりやすい対比例を上げると、小池百合子都知事と蓮舫参議院議員。

小池百合子 都知事は、女性特有の「罠」をよくわかっているようで、女々しすぎず、強すぎない、声を荒らげない、張り上げない、力を入れすぎないに徹しています。

逆に、蓮舫 参議院議員は、弁舌は切れ味鋭く、わかりやすくても、怒気に満ちた視線と言葉で「2番じゃダメなんですか!」発言などで、”過度に攻撃的”、”強引”というイメージが付いています。
これが、男性ならそこまでの印象はもたれなかった思います。

岡本 純子氏の「怒りながら叫ぶ女」はどうして嫌われるのかでも書かれていることが非常に的を得ていているので、ご紹介します。

女性リーダーは、弱々しくても、強すぎてもいけないという「ダブルバインド」(二重拘束)の縛りの中にいます。
なので、過度に自信があるように振る舞えば、”傲慢”、”高飛車”、”生意気”と、言われてしまい、そのことを避けるために、謙虚さの中に「自信」をのぞかせるという高度な芸当を要求されています。

「このハゲー!」と、怒声を秘書にあびかせた豊田真由子議員が、男だったらどうとらえるか?と考えると、あそこまでの報道にはならなかったと思われます。
現に、当時の官房長官が、「あんな男の代議士はいっぱいいる」と言ってのけています。

「怒る女」は「怒る男」以上に徹底的に嫌われるということです。

リーダーシップには、competence(有能さ)と、warmth(温かみ)の2つの要素が必要です。
この2つがバランスよく高い人が優れたリーダーということになりますが、
男性の場合、ある程度の「有能さ」が示されれば、「温かみ」についてはさほどなくても許されてしまうという側面があります。
多少冷たくとも、それは冷静さや決断力と解釈され、「温かみ」がないことはさほどのマイナス要因にはならないということです。

かたや、女性リーダーにとって「温かみ」の欠落は死活問題になります。

「自己主張をし、自信があり、アグレッシブ」という男性特有のリーダーシップのスタイルを踏襲しようとする女性は過度に”攻撃的”,”強引”と見なされがちです。そして、「感情的に怒っている!」ように見える閾値(刺激の最小値)が圧倒的に女性のほうが低いのです。

女性のリーダーシップが声高に叫ばれながら、遅々として進まない背景には、こうしたコミュニケーションの「壁」があるからだと、岡本 純子 氏は書かれています。

こういった男×女の特性を理解した、女性管理職育成や女性活躍推進のための”仕組み作り”が必要です。 お手伝い(コンサル)しますので、お声掛けください。

参考
1)岡本 純子 ,「怒りながら叫ぶ女」はどうして嫌われるのか 小池百合子氏と蓮舫氏には決定的な差がある, コミュニケーション・ストラテジスト,2017年6月27日
2)岡本 純子 ,日本人女性に足りないのは「自己肯定感」だ なぜ女性の管理職が少ないのか,2017年8月22日